宇宙・UFO・
ロズウェル事件――「空飛ぶ円盤を回収した」と軍が発表した日
1947年7月、アメリカの陸軍飛行場が「空飛ぶ円盤を回収した」と発表しました。翌日、その発表は取り消されます。この一日のずれが、80年近く続く謎の始まりでした。
記録の概要
1947年7月8日、ニューメキシコ州のロズウェル陸軍飛行場が、近くの牧場で「空飛ぶ円盤」を回収したと発表しました。新聞は大きく報じます。
ところが翌日、上級の司令部が訂正します。回収したのは「気象観測用の気球」だった、と。騒ぎはすぐに収まり、事件は30年ほど忘れられていました。
再び火がついたのは1978年ごろです。回収に関わった元将校が「あれは地球の物ではなかった」と証言し、1980年には事件を扱った本が出版されました。以後、「宇宙人の遺体があった」「軍が隠した」という話が次々に加わっていきます。
ここからが、記録に残っていない部分
1994年、アメリカ空軍は調査報告を出しました。残骸の正体は「モーグル計画」の気球だった、という説明です。ソ連の核実験を遠くから探知するための、極秘の高高度気球でした。最初の発表で「気象気球」とされたのは、この計画を隠すためだったことになります。
1997年には追加の報告が出て、「宇宙人の遺体」の目撃談は、1950年代のパラシュート実験で使われた人形の記憶などが混ざったものだ、と説明されました。
一方で、1995年に米議会の会計検査院(GAO)が調べたところ、当時の飛行場の通信記録の一部は、すでに廃棄されていました。軍の説明を最後まで確かめる記録は、全部は残っていないのです。
記録の仕分け
記録に残っていること
- 1947年7月、軍が「円盤回収」を発表し、翌日「気象気球」と訂正したこと
- 1994年に空軍が「モーグル計画の気球」と説明したこと
- 当時の通信記録の一部が廃棄されていたこと(1995年 GAO)
説の部分
- 宇宙人の乗り物と遺体が回収され、今も隠されているという説
否定・未確認
- 1995年に出回った「宇宙人解剖フィルム」は、2006年に制作者が作り物だと認めた
- 宇宙人の遺体を示す物証は、公的には一度も出ていない
出典
- 米空軍「The Roswell Report: Fact vs. Fiction in the New Mexico Desert」(1995年)
- 米空軍「The Roswell Report: Case Closed」(1997年)
- 米会計検査院(GAO)報告「Results of a Search for Records Concerning the 1947 Crash Near Roswell, New Mexico」(1995年)